2度目の鑑賞。再び観ても設定の斬新さに感嘆する。

まず一言。非常に、面白い映画でした。アクションシーンもさることながら、映画の構成も実に巧みであり、序盤から散りばめていた伏線・布石の回収も見事な映画でした。これを見られたこと、これにまず、感謝を示したいです。　ではまず、コブは結局”現実”に戻れたのでしょうか？ラストのトーテムであるコマを回すシーンですが、コマがそのまま回り続ければ”夢”であり、動きを止めれば”現実”になるわけです。けれど、コマはふらりと体勢を崩した瞬間、スタッフロールに突入します。つまるところ、夢か現実なのか、その判断は鑑賞者に委ねられた結果に終わります。　コブはミッションに失敗し、潜在意識の虚無に堕ちたのか。それともミッションを成功させてモル亡き現実へ戻ったのか。正直に言えば、どちらもあり得る、としか言いようがないです。監督であるクリストファー・ノーランもそれを意図してのことでしょうから。　けれど、現実か夢か、それとも虚無かは分かりませんが、”真実”は存在します。それは、コブがモルを死なせた事実にケリをつけたということです。　モルはコブと永く夢の世界で共にいる中で、現実へ戻りたくないと考えます。現実よりも長い時間を夢の世界で過ごし、精神年齢も夢の世界の肉体と同程度になる。そうした中で、モルは夢の世界こそが、リアルな輪郭と年月を有した現実となったのです。現実世界へ戻ることを拒否したモルに対し、コブは”ここは現実ではない”というアイディアをインセプションすることで、元の世界へ戻ります。ですが、インセプションした結果、戻った現実世界でもまた、”ここは現実ではない”というアイディアが想起され、結果的にモルは自死してしまいます。これこそがコブの罪であり、二人の愛すべき子供といられなくなった理由であり、モルを失った理由でもあります。　そしてコブは、その罪の意識から逃れる為に、自らの夢の世界にモルを作り出します。二人の子供とモルがいる幸せな世界。それは逃避に過ぎず、現実ではありません。そしてコブ自身も気付くのです。どんなに完璧に作ったとしても、それはモルではない、と。夢への現実逃避をやめたコブ。インセプションが原因でモルが死んでしまったこと。それをコブは受け入れました。それこそが唯一の”真実”です。　これが現実なのか、夢なのか、潜在意識の中の虚無なのかは不明です。ですが心の在り方だけは、どんな境遇にあったとしても真実なのでしょう。　考えさせられる映画、という表現は好まないのですが、この作品にはそれが合致します。考察の余地があるというわけではなく、これからの人生の教訓にもなり得る映画でした。　非常に、面白かったです。

字幕版を見ていたはずが、いきなり日本語がでてきて？？ってなりましたがガッツリ渡辺謙さん出て日本語で話してますね。夢と現実を行ったり来たり。よくあるSFのテーマですが、それを映像で見るとこうなるのかと楽しめました主人公たちの住む世界では何人の夢に入る専門家がいるんでしょうか。わざわざお尋ね者のディカプリオに頼む必要があるくらい少人数なんでしょうか。ディカプリオはこんな技術があるならCIAやFBIと取引したらアメリカに帰れそうなものだけれど。日本には自由に来れてるけど引き渡されないんだろうか。大会社の次期社長が秘書も連れず単身で飛行機乗るんだろうか。雪山のシーンなんだこれ。迷路の概念がわかりにくいな。そのへんの細かいところは引っかかりましたが概ね満足。

人の潜在意識、夢の世界に入って、記憶を探る、もしくは意識に影響を与える。それを巡るSFサスペンス、そんな映画だ。夢の世界に潜り込んで行くと、現実と夢の世界の違いが曖昧になり、戻ってくる軸を失う。それは、観る者も登場人物も同様であった。夢としてのタイムリミットはハラハラさせるが、夢である事のルールを利用してのストーリー展開は都合が良い。家族愛がひとつの仕掛け、主人公の闇になっているが、ストーリーが広がり過ぎた。夢か家族愛か、どちらか、もう少し簡単にしてしまった方が、楽しめたかな。意識下の世界の映像は面白い。不思議な世界を楽しめた。

クリストファーノーランの作品はほぼ全て見ています。バットマンは普通のわかりやすい名作(ダークナイトのみ)テネットは難しいと感じますが、傑作だと思います。この作品、インセプションはテネット同様何度か見ないと理解するのは難しい作品です。色々作品中に考察や作品を通して、場面場面を記憶しながら細かな演出や言葉の意味を理解していかないといけません。純粋なアクションやエンターテイメントを楽しみにされる方だと、人によっては疲れたり楽しくないと感じてしまう方もいる作品ですので、深い作品で間違いなく名作だと思いますが若干の人を選ぶ傾向がある作品だとも思います

★気に入ったこと潜入捜査モノかと思ったら、裏切られました。まさかの汚職警官の話。（説明に書いてありますね）淡々と話がすすむところが良かったです。イライジャが検問を見つけて、バッグを投げ捨てたときの、環境音の使い方が素敵でした。それまではクラクションや人の声など雑多な音が聞こえていましたが、裏を走り出すと足音しか聞こえなくなる。良い演出だと思いました。その他、警官とイライジャの格差の描き方も良かったです。ラストも「えっ、そうきたか！」と思いました。フィリピンは英語とタガログ語？のまぜこぜ会話、面白いですね。★気に入らなかったことありません。★どうやって使ったかPCとTVをHDMIでつないでみました。〓アルファ　殺しの権利〓

日常的なシーンがドキュメンタリータッチで描かれていく中で物語が核心に近づいていきます。ざらざらとした感触のブリランテ・メンドーサらしい作品で決して悪くはないのですが、同じ監督の「ローサは密告された」に比べると少し散漫な印象がありました。「ローサは…」をまだ見ていない方はそちらから見たほうが良いかもしれません。

フィリピンの映画は初めて見た。政権による麻薬撲滅令の下に推し進められる殺人もいとわない強硬な取り締まり。しかしそこに生まれる新たな腐敗。正義の旗を振りかざすその手で現場からシャブを持ち去り売り払い私腹を肥やす警官エスピノ。エスピノに情報提供で公式に子飼いになっている裏で、彼の持ち去ったシャブの横流しを行い僅かな賃金を得て生計を立てるイライジャ。話そのものはシンプルな筋で音楽などの演出も極々抑えて数か所にしか使われない。派手なやり取りは冒頭の銃撃戦くらいなものだが、まるで事が起こっているその場に居るような臨場感があるおかげで、普段見慣れないフィリピンの街並みや人々の暮らしが垣間見られてそういった意味で面白い。あちこちで所持品検査が行われている様子も異様。イライジャを顎で使って豊かな生活を送るエスピノが迎える結末は。展開は予想通りながら、過不足無い仕立てで手堅い一本。なかなか見る機会がないものが見られて新鮮だった。

権力をもって悪い事をやる、隠蔽得意な警察官。公務員は大嫌いです。仕事は親方日の丸でそこそこしかやらない割には給料が安いとほざく、権利だけは主張する。日本もまさかの裏金作り、やってましたねー。世界の警察官、ほとんど大なり小なり似たようなことをしているんでしょうね。これは映画ですが、事実感がありますね。

役者の高い演技力のせいか雰囲気が良かった物語は足切りに次ぐ足切り最後の暗殺者は所長の手下って事でいいのかな？